女王様御用達。


『…何のこ』


振り向いた次の瞬間、シュシの剣が白銀の騎士の兜に向かい剣を振る。

いつの間に移動した!?


『と……』

アタシは今までシュシがいた位置と、白銀の騎士の前には相当の距離がある。

大きな黒い切っ先は、器用に兜だけをはじき飛ばす。


兜の下からピンクの髪が現れる。


その目は険しく、彼女は剣を握り返す。


「お前が分散させた力は、俺がほぼ倒した」


分身の騎士達の話だ。


『…っ』


「王冠を作って目的を達成したお前に、防御するほどの力は残っていないだろ?」


『何を』


「言わせて貰えば、間接的とはいえ、俺の力を食らっていてだいぶ毒が回っているようだ」


毒。

少女はアタシを睨み付ける。

そうか、アタシの攻撃か。

兜の下の彼女は、まるで阿修羅のような強い表情で。

しかし、髪は乱れ、目の下にクマが見える。


「ミアさん、彼女を拘束してください」


ミアは倒れ拘束された姿勢のまま、体を倒し、手首をねじって拘束された手を床につける。


白銀の騎士の周囲から、格子状の氷の柱が何本も生え、彼女の動きを拘束する。



『!!』




彼女は逃げるでもなく、あっさり氷の牢獄に捕獲された。