女王様御用達。

『……なるほどな』


白銀の騎士は剣を突きつけて頷いた。


「待ちなさい、白銀の騎士!!」

ミアは自分の歯に舌を噛ませ、睨み付ける。


「王子の首を落としたら、私は舌をかみ切る。王がいなくなるこの国はお前のせいで大混乱になるのよ!!」


『それが王としてお前の判断ならば、我は反対はしない』


「……っ」

ミアは舌を引っ込めた。


『私は王として選ばれた人間に冠を与えるだけの神の使者だ。その王の国政までは口出すつもりはない』


その言葉に、彼女は落胆したようだ。

交渉の余地もない。


「本当にやめてよ、死神」


白銀の騎士はまた空を見上げる。


「王子がいなければ、私がこの国にいる意味なんかない……」



『……』


「たった一人この国に来た私を……蔑まれていた私を……絶望するその日々を支えてくれたのは、そのフォーク王子ただ一人だった」


その切ない声に、フォーク王子は肩を震わせる。




「ミア、やめてよ」




フォーク王子が顔を歪ませ、涙を浮かべる。


「僕、やっとさ、やっとの思いで今この場にいるのに」


急に大人の表情を崩し、ぼろぼろ泣き出す。



「怖いのに…こんなこと本当はしたくないのに」




15歳の王は、それまで押し隠していたものをはき出すようにガタガタ震え出す。





「僕だって……ミアとずっと一緒にいたいのに……」