女王様御用達。


「そんじゃ、行きますよ」


彼はその人間ほど大きな剣を軽く振り、騎士達をなぎ倒す。


はじき飛ばされた騎士たちは、液体に戻らないまま銀の羽根になり、消えていった。


「原理は治療と同じようなものです」


と言われてもよく分からないが。


最短距離を進む先頭のシュシを暴れさせ、アタシはその範囲でカバーしきれない騎士や、ハチを襲う騎士を魔法や槍で叩く。


シュシがなぎ払うだけで、だいぶ騎士たちが消えていく。


それでいて動きが軽く、その力は悪魔的に桁外れな程強力だ。



『またお前か』



王室のどこかから声がする。

確かにどこか騎士に混ざっているようだ。


「今度は誰かさんから記憶を消されずに済んだらしいな」


それまで、ただ騎士を消す戦士の顔をしていた彼は何故かうれしそうに笑って見せた。


「?」

「こっちの話です」


本当にコイツは掴みづらい。

だけど悪魔契約者にあまり深く追求するのもなんだし。

今の所だって、笑い所が掴めない。

とか悩みながら、ハチの首を狙う騎士の胴着を突く。

アタシの黒い槍が、ハチの首のすれすれを走り、ハチは涙目だ。


「……俺、ここで死ぬのかなぁ」


眼鏡を握りながら、気が滅入っているようだ。