「走れ」
アタシの声に、ハチは1、2歩後ずさりする。
しかし後ろにもいた騎士の胴着にぶち当たる。
「ひっ」
しかもそいつも剣を振り上げ今にも首をはねんばかりだ。
さらにそれまで前にいた白銀の騎士もハチを囲む。
その並んだ白銀の騎士の頭を、黒い足が蹴飛ばす。
まるでドミノのように飛んでいく甲冑2つ。
高い跳躍力を、後ろにいた騎士から槍を引き抜きながら見入る。
「よっ」
軽くがに股で着地するそいつはシュシだった。
両手を白衣にあるポケットに突っ込み、ぱちくりしているハチの肩を叩く。
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます」
「あはは、よかった。首切られたら手術大変だったから」
「……はあ」
いつもの様子のシュシに、アタシは騎士の攻撃かいくぐりながら近づく。
彼はにこにこしながらこっちをみた。
「治療の経過はどうです?ニアさん」
……こいつめ。
アタシの攻撃の性質が変わった事が分かってて物を言っていた。
「おかげさまで、すこぶる良好」
「それは結構」
彼は無数に、王室いっぱいに増えた騎士達を見つめた。

