女王様御用達。

すると、彼女の体から出た液体の銀が、四方八方、それ自体が意志をもつように氷の上を伸びていく。

髪も、甲冑も不自然なほどに。


その銀色の液体は彼女を中心に放射線状に。

アタシの足の前で、たまに枝分かれして、隣の線とくっついたり。

まるで蜘蛛の巣のような模様をあっという間に作り上げる。



「おねえちゃん、魔法陣よ!!」



ほぼ銀色の塊となる彼女に向かい、アタシは新たに槍を作り出し投げはなつ。

その衝撃で、彼女本体は完璧な液体と化し、水風船の如く不自然に飛び散った。



銀色の光が輝き、液体が描いた線の端から、ぬるりと人の形が出てくる。


「うえっ」


ハチは目の前に出てきたそれに、壁の方へ逃げる。


床から生えた氷がいくつも柱を産み、魔法陣を壊すが遅かった。


気がつけば、この王室全体に何体もの甲冑が現れていた。


先ほどいた甲冑と同じサイズ。


それを一体から、王室を埋め尽くすほどの数に増えた。


「ちょっ…また幻か」



アタシはまた槍を作り出し、アタシの周辺に現れた甲冑に突き立てる。

大剣は持っているが、あっけないほど刺されてくれる。


そして刺した感触がある。

だが、次の瞬間銀色の液体に戻り、床に落ちる。

そしてまた床から人の形をした甲冑の元が出てくる。





…どんな悪夢だよ。