女王様御用達。

そして、王に彼女は言う。


『私の願いは優秀な部下が欲しい。ここまで勝ち抜いた人たちだから、相当優秀な能力を持っていることは明か。私が女王になるまで生かしておいて下さい』


会場はざわついた。


あたしも動揺し、小声でルールに言う。


『アタシはいい。ミアを救え。あいつは頭がいいし使える。妹を救え』

『……あたしは、部下が欲しいと言って、具体的な人数は言ってない。勝敗が明らかで、殺されそうになったら部下が欲しいとほざくわ』


王は黙った。



『勝者には何でも願いを叶えて下さるのでしょう?王』



彼女は挑発的に、小悪魔的に王に聞いた。


王は豪快に笑い、膝を打って笑った。

『いいだろう。ただし、お前が負けた時点で、敗者の体は先端から獣に少しずつ食わせなぶり殺しにしてやろう』

『それはご自由に』


彼女は拘束していたアタシを解放し、アタシに背を向ける。






そこでピタリと、場の空気が固まった。

ルールはアタシにせを向けたまま、観客は口を開け、呆然としたまま。

アタシは敗者としての負け犬の表情を浮かべながら。

その灰色の世界は止まった。



『もし、あの時お前が手を抜かなかったら、貴様の運命は変わっていた』



どこかで聞いた少女の声。



『お前が女王だった』


たしかに。

敗因はルールの高い技術ではない。

アタシのうぬぼれだ。



『今では女王騎士、しかし、妹は守りきれず他国に渡し、自分は敗者として女王に使われ、同情で生かされ』



アタシのプライドがチクリと痛む。




『お前も疑問に思っているのだろう?何故自分は生きているのかと』


20のアタシの視線とアタシの視線が合う。

まるでアタシに何かを訴えるような目だ。


アタシは視線をそらす。