女王様御用達。


急に明るくなり、視界がハッキリするとそこは見覚えのある風景だった。



土が露になり、お世辞にも手入れされているとはいえない木がいくつか生えた、寂しい場所。


開けた所に小さな決闘場が作られて、少女達が戦っている。


一人はルールだ。

12歳の頃の彼女だ。

銀色の髪を振り乱し、しかし無駄な動きは無く小さな剣で応戦している。


もう一人はアタシだ。

20のアタシ。

明るい色の短い槍を操り、ルールの剣に対抗している。

今見るととても恥ずかしい動きだ。

周りで王が満足げに見ていて、ミアが泣きながらその光景を眺めていた。


他の女王候補の奴らもじっと見ている。


空は薄暗く、小振りの雨が降っていて。

雨音と、金属音が響いていた。


そうだ。


アタシは、ルールを見くびっていた。

12歳という若さと、その小柄と。

そして、不安になるミアを元気づけるため軽く勝とうと。


怖いものなんて無かったアタシは、自信あふれた表情でルールに応戦していた。


アタシは自分で作れる槍、そして魔法。

何も持ち合わせてなかったルールは王から支給された錆びた剣。


勝利は見えていたはずだった。


しかし、その自信が。

ルールへの見くびりが。

アタシの槍をなまくらにさせていた。


空高く、アタシの槍は吹っ飛ばされる。


慌てて、すぐに槍を作ろうと指を空中に滑らすも、作った槍は手に握った間もなくまっぷたつにされ、同時に胸から腹にかけて切られた。


倒れ込もうとしたアタシの腕を掴み、締め上げ、首元に剣を突きつけられる。



そうだ、甘さだ。

確実に勝てた試合だった。


12歳であり、あまりに幼い顔をしていたルールはあんなにも大人な顔をしているのに。


アタシの目は、表面しか見えていなかった。