女王様御用達。


「物語に終焉はあるものよ?死神」


アタシは槍で兜を引っかけ、床に転がす。


長い髪の彼女は、まだ殺さんばかりの目でこちらを睨み付けていた。


とどめを刺そうにも、その幼さにアタシは眉をしかめる。


口から銀色の血を吐いた彼女はそのままにやりと笑う。




『……どうした?』



「……」



『我を貫かないのか?ニャア・ミスティック・クリスタル!!』



その幼い声はアタシの中で迷いを産んでいた。

こいつは数百年同じ姿で生き続けている妖怪。


これまで王を殺し、これから王子を殺す殺人者。



国を惑わすことだろう。



『しないのか?』


彼女はにっと笑う。



『あの時も手を抜いたから、お前は子宮を失ったのだろう?』



「……あの時?」



何故か勝ち誇った彼女の表情に、気を取られていた。




アタシの周りに細かい銀の砂舞い、それらがアタシの周りを覆っていたことなんて気づくのが遅れすぎていた。


銀は膨張し、アタシの周りを覆う。


白銀の騎士とともにアタシを包み込み、視界は真っ暗になった。