女王様御用達。

「ニアさん!!」

やっと、動ける。

アタシはため息ついてその場から立ち上がる。


周りを見ながら困惑し座っているハチの肩を叩く。


「ハチ、アンタは時を見て安全なところに逃げなさい」


アタシは人混みの中で死神の気配を探す。

かつて体に残った奴の一部がアタシの中で反応している感じ。



……体の構造が、奴に殺られかけた前と変わってしまった気がする。


具体的にどこかとは言いにくいけど。




「天井、ね」





騒がしい地上から見上げると、高い天井に忌々しいまでの銀色の球体が浮いていた。



ハチも同じ方向を見上げて「出たぁ」と嫌そうな声を上げる。


「兵士、プラン12!!」


ミアが指示し、自身はパタパタと舞台に上がる。




兵士の半分は誘導の為に出入り口へ、応戦のための兵士達が剣を抜き、構える。

そしてぼーっとしている王子の前に立ち、空気を切るように人差し指を走らせる。

残像のような白い光が一直線の槍を描き、現実化した槍はミアの手に吸い込まれる。


「王子、安心してください」


ミアはどこか表情に乏しい王子に必死で微笑みかける。


「貴方はこのミアの命にかけても守ります」


そして近づく銀の球体を睨み付ける。






「……ぶっ凍らす!!」






普段比較的落ち着いた口調のミアから出たミアらしい挑発。

ミアが大きく槍を振ると王室一面が凍りつく。

見事に一面銀世界だ。

温度が一気に冷え、息が白くなる。


おそらくだが、凍りやすいように王室全体に仕掛けがあったようだ。


「?」


氷に白く固まっている所と透明に固まっている所とムラができている。

白い部分はまるで線のように王室をぐるりと周り、模様を描く。

……床に魔法陣が仕掛けてあるようだ。


この魔法陣は……。