女王様御用達。

しかし、その物語は暗にシュシに頼れとアタシを誘導した。


そして、それはシュシが一般人が安易に入れない城という聖域にたどり着ける。

実は、白銀の騎士とシュシはグルで……。


いや、ならば毎度一緒に現れないのはおかしい。

白銀の騎士と城に乱入した男の目撃はきちんと公文書として記録されているから物語ではない。






もう、頭がくらくらしてきた。

「ニアさん、気分が悪そっすよ?」

「こういうカッチカチな場所苦手なの」


晴れの舞台だし、本当は喜びに満ちあふれていなければならないのに。

外はこんなにも晴れ渡っているのに。


アタシは大きく張られたガラス越しに空を見上げる。


晴れている。

雲1つ無く。


しかし、何故か雨がざあっと降り始めた。

太陽に反射し、キラキラと神々しく感じた。


「……」

こんなに明るいのに。


その激しい音に、来賓の人間もそちらをチラ見する。

それは、王冠の支度をする家来も。

司会席にいるミアも外を睨み付け、そして視線を兵士に送る。


兵士が視線を走らせ、何か合図を送り合っている。


激しく走る兵士がミアの元に押しかけ、ミアに耳打ちをする。


ミアは兵士に伝える。

こちらには聞こえない声。

しかしその口は確実にこう言っていた。



『ゼンリョクデ、オウセンシナサイ。シニガミヲゼッタイニオウシツニレナイデ』



……闘いが、始まったらしい。

その顔に余裕はない。

ただ強い表情で、俯きフォーク王子を見つめる。


その時には満面の笑顔だった。

まるで安心しろと言わんばかりに。