女王様御用達。

アタシ達が追っていた伝記は家庭で作られる、創作物語。

しかし、その中でも数多くの歴史と類似しているとされている物語を選んだつもりだ。

アタシ達は物語だけではなく、白銀の騎士の歴史や王の死因についても合わせて調べた。

公的文書には騎士の存在は認められているし、ミアも白銀の騎士に襲われ、アタシも。


実際に感じるまがまがしい気配を持ったシュシ。

白銀の騎士となった女の子がいた国に、神扱いに数十年に一度無償で現れる医者。

……それも、現地の人間より白銀の騎士にくわしいと思われる。


それは人間の生命を超える数百年間という部分を除けば、白銀の騎士の登場に出てきたシュシの存在は偶然にしては一致しすぎている。


……大丈夫、アタシの行く道は大体合ってる。

アタシはアタシ自身に言い聞かせる。


あれ。

あたしは眉をひそめる。


アタシ、こんなにもシュシが死神に対抗できる手段として頼り切っている。


……一日十万もぼった来る医者を?

数百年なんて、生き延びた人間はいない。

かつてリューズにいて、王の下で国を大きく発展させたという魔法作成師だって死ぬくらいだ。

国最高レベルの魔法使いでも延命できて120年。

それもそれなりに年相応の老いを見せていた。

それを、悪魔が可能にするだと?

悪魔召喚はそのトップレベルの魔法使いさえ失敗して国を滅ぼしかねない大禁術だ。


人生を魔術に捧げた大魔術師が手を出せるか出さないかのレベルと聞いた。


物語では15歳の少年が成功したと読み取れる。

そう、物語。

アタシは物語という誰かが……そう、謎の医者が言った口車に踊らされているだけだ。

信用なんて、その短剣の技術とこなしてみせた医療技術しかない。

死に神に対抗できるなんてそんな保証どこにもない。