女王様御用達。

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疫病が流行った頃。


その疫病が流行った頃、そのお医者様はふらりとやってきて町の人間達を親切に治療してくれました。


お医者様は患者をいやがらずにこにこと笑いながら、町中の患者達を励ましていました。


彼らを助けるのに膨大な薬草代がかかりましたが、彼は金を取らずにこう言いました。




「伝えて欲しい物語があるんだ」




彼は古くからその町で語り継がれていた白銀の騎士の話をしました。

とはいっても、その町でも薄れた伝記で、外からやってきた人間である医者の方がよく知っていました。


それは、神に祈る少女と、その少女を神から取り戻すために悪魔に魂を売る少年の話。


そして白銀の騎士という他国で王の首を狩る白銀の騎士の話。



それは、入院患者にユーモアや教訓を交えて伝えたもので、病気でつかれていた彼らの唯一の娯楽でした。




彼らは感謝を込めて思い思いにそれを物語や絵本にし、分からないところは勝手に書き足し、様々な絵本を作りました。


そしてそれらをお代の代わりに医者に渡したといいます。


数十年に一度、やはり金を取らない医者が町に訪れ、難病を治療しては物語を受け取る医者が来ると言われています。


彼らは彼に治療を頼むため、その絵本を書き続けているといいます。


そしてその物語は町を越え、世界中に語り継がれるようになりました。

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