「私が心配してあげるわよ?心から」
彼女はとても明るく答えた。
シュシは持っていた酒瓶で彼女を小突く。
「エサの確保的な意味だろ」
「んふふ、体目当てなのは否定しないわ」
彼女はシュシに抱きつく。
そして耳打ち。
「……次は小腸だからね」
その鋭くドスリと響く声とともに、まるで彼女は霧のようになり、シュシの体に溶けるように消えていった。
アタシは音が出ないようにハチの肩をたたき、2人で素早く宿屋のレストランに戻る。
マスターにも辻褄合わせの打ち合わせをし、あたかも2人で長時間そこで飲んでいたように装う。
シュシさん遅いですねぇとか、わざーとらしくハチが呟きながら、ブドウジュースをがぶ飲みする。
そのうち、シュシが無言のままレストランに戻ってきて、隣に座る。
アタシはチラ見し、ハチはひたすら無視してジュースを飲み続ける。
シュシがこっちをじーっと見つめて来た後は、少し酔ったように目頭を押さえる。
「マスター。ワイン」
「はい」
彼はグラスのワインを受け取り、それを一口口に運ぶ。
店内のクラシックが流れる中、水面を見つめ、ため息をついた。
「……のぞき趣味はよろしくない思いますよ」
アタシとハチは同時に酒を吹いた。

