女王様御用達。

それは奇妙な関係に違いなかった。

利用する、或いは協力するために捕まえた白銀の騎士の対抗力。


……得体の知れない恐怖で、こちらが一方的に利用されているような変な感覚に陥る。

街中を歩くときは出来るだけ人から離れて歩く。

そうして城に到着し、気づいた。

「シュシ、お前出来るだけ王子に近付くなよ」

「王子は別に興味ありませんが?俺」

「王子は体が弱い。……毒気に当てられたらただではすまないぞ。王子もお前も」

なるほど。

シュシは納得したようだった。

特にシュシの存在を不審がられることなく、いつものように兵士から王座の前に通されるが、そこには誰も座らない。

また体調が悪いらしい。


「どうせ裏の部屋だろ」

あたしは王座の裏の扉を触る。

兵士とハチがあわてたように動いた。

「ニアさん、勝手に動いちゃ」

「早かれ遅かれどうせ案内されるさ」

『構わないよ』

『何を仰るのです!!』

咳き込む声と、激しいミアの怒鳴り声。

何だ何だ。

反対していたハチも、シュシも、警備していた三人程度の兵士の皆さんも、アタシが開けたその小さな扉の隙間の野次馬と化す。

廊下でパジャマ姿の王子と軍服姿のミアがにらみ合っていた。


『僕は、ミアが王であって構わない。むしろ君が王になるべきだ!!』


フォーク王子は咳を堪えながら、苦しそうに怒鳴り返した。