女王様御用達。

オーノンの王付きの医者がアタシを見ていて回復できなかった震え。

それが一瞬にして止まり、アタシの体がだいぶ軽くなった気がする。

いや、戻ったんだ。

あいつから刺された前に。

「ありがとう」

「そんな、お礼なんかいいですよ」

彼は笑顔で両手を振る。

そして、その手の人差し指と親指をくっつけ輪を作る。


「お代は、10万です」

にこにこにこにこにこ。

「……金取るの?」

「医者ですから」

医者でもそんなには取らないぞ。

「……ニ、ニアさん……払えるんですか?」

そんな事聞くなよ。


「保険効かないので」




……この笑顔で、アタシはコイツは悪魔だと確信した。




アタシは女王騎士。

新王と言われているミアに近い存在だし、顔パスで城に入れる。


彼は自分の事をあまり喋らずアタシについてきた。

口では話さないけど、まがまがしさは隠せない。

もっともそのまがまがしさも、探知出来ない人間にはとても探知出来ないものだけど。

たまに自覚がなく感知してしまい、近くにいる人間が倒れてしまうのは難点だけど。



形的にはアタシを治療するための医師として。

完全に、震えや体力の衰えは治ったけど、一般人をアタシの横に置く理由は必要だし。