女王様御用達。

「アタシは、王子の命を救って白銀のガキの尻を叩きたいの」

「貴方はリュウズの女王騎士でしょう?何故」

「ミアは…白銀の騎士が選んだ王候補は、王子が死ぬことを望んではいない」

うん、彼は何か考えるようにアタシの目を見つめた。


そして視線を下へ。

槍を握る手を見つめる。


「その震えは白銀の騎士にやられたものですか?」

「……ええ」

「道理で、貴方からは白銀の力が感じられます」

彼は素早く動いてアタシの目の前に立つ。

「!!」

反射的に距離を取ろうとするアタシの体を彼の腕で固定する。



「動かないでください」



みぞおちに素早く自分の黒い革袋をつけた手のひらをぶつける。

その衝撃にアタシは胃液を少し口から吐いた。

「っ!?」

「ニアさん!?」

ハチはアタシに近づこうとする。

しかし次の光景に彼は足を止めた。


「……あいつの羽根は、目に見える金属だけではないんです」



アタシの背中から、銀色の光が吹き出したようだった。

そんな感覚と、空気に溶けるようにキラキラと舞う銀色がアタシの視界の中に入る。


「見えない羽根を残していくのです。それは奴に逆らっても生きながらえた相手の体を蝕む」

「今のは?」

「残った破壊した羽根の欠片です。これで貴方は完全に動ける」

にっこり。

彼は邪悪さがまるでない顔で微笑んだ。

さらっと言っているけど、実はこいつもの凄いことやったんじゃないか?