女王様御用達。


「率直に吐いちゃえば、白銀の騎士関係のご用」


彼は眉をぴくりと片方だけ動かした。


「俺に何故?」

「待ってたの。白銀の騎士を追う悪魔に魂を売った男」

「俺がそれだと?」

彼は緩やかな表情を変えない。

「あら、違うの?」


「本当だとしても吐いて利点はありませんよね?」


「そうよね。悪魔召喚をしたら、大概の国が捕まえて監獄に入れちゃうもんね」


下手すると二度と術が使えないように、魔法陣を書く指を切り落とす国もある。


アタシは距離を取り、自分の胸を叩く。


「アタシはニャア・ミステック・クリスタル。リュウズの女王騎士」


「……ミステック・クリスタル……」


彼は女王騎士よりも、アタシの名前に反応をした。

悪魔召喚者を捕まえる立場であるのに。

「ええ。ミャア・ミステック・クリスタルの姉なの」

彼は今更首をかしげて見せる。


しらばっくれても、ミアの事を調べているのは分かった。


「アタシは女王騎士だけど、この国へは悪魔召喚者を逮捕しに来ている訳じゃない。ぶっちゃけバカンスに近いの」


え……?とハチは自分を指す。

少しそっちを確認したけど、コイツの護衛らしき護衛もする必要なさそうだし。

バカンス、バカンス。


「うん。バカンス」

「何か言い切ってるー!!」

「あの、なんか、そっちの人ショック受けてるけど……」

「所詮外野よ」



彼はずーんと沈んでいる外野を見つめ、アタシに視線を戻した。