女王様御用達。


とはいえ、田舎と農業の町、オーノン。

その入国はのんきな一般客が多すぎた。

牛を引き連れてのほほんと入国する男や、商人。

それが中心。

入国管理の兵士が記憶がいいのも頷ける。


要人がこねえ。



居座る要人を目の前に、あくびとか出来る兵士を睨みながら、アタシは待合い椅子で足を組んで待つ。

来る日も来る日も。


それでも迷惑がられないのはあまりに国境が暇で平和だから。

貧乏揺すりが止まらない。


「ニアさん、足が……」

隣で椅子を机に物語を書いているハチが視線を下に持ってくる。


「あ?騎士にやられた後遺症!!」

「……だとしても、同じところばっかり足をおいていると床のタイルヒビ入ってますから」


アタシはタバコを取り出し、火をつける。


「平和過ぎ!!」


「喜ばしい事じゃないですか」

彼の机の横には、物語を書くために持ち出した資料があった。

借りた本を無断で持ち出したが、ミアがどうにかしてくれるだろう。

返すつもりだし。

資料は本だけではなく、国の新聞も増えていた。

その記事のトップ記事は、謎の騎士に王子が襲われるというもの。


「一方で、白銀の騎士は王子の前に出てるのに!!」


「ミアさんの活躍で追い払えたからいいんですよ」


「追い払ったんじゃない。白銀の騎士が手を出せなかったんだろ」


あいつが選んだという新王を間違っても殺さないため。

ミアが王子をかばったという様子が読める新聞記事だった。

ゴシップの雑誌にはミアの記事があること無いこと書いてある。