女王様御用達。

「ちょっとしばらく椅子に座らせてください。コイツに勉強させるので」


と、アタシは女王騎士を証明するピンバッチを見せる。


「は!?リュウズの……ああ、数週間前にいらした」


意外と物覚えがいい兵士らしい。

「良く覚えているのね」

「ええ。不審者がいないか瞬間的に覚えるようにはしているんです」

「……あ?」

「いえ、女王騎士様は、その立場上覚えてますよ。海からいらしていてそちらのお連れ様が気分が悪いそうにしてましたよね」


こいつは、かなりの記憶力だ。


「要人って結構くるの?」


「いえいえ。農業大国とはいっても、田舎ですからねー。女王騎士様くらいですよ」


きっぱり否定した。

その顔に何か後ろめたいものはなさそうだ。

上から特に止められていることもないらしい。


「女王騎士程度の顔パスって、一般人でも可能なの?」


彼はんんーと首をかしげる。


「一般人……そうですねぇ」

「王家とか貴族とか政府関係者以外で」

「難しいですね」


彼は手をぽんっと叩いた。

「学者とか医者ですね。それなら一般人でも通行のお手間は取らせません」

学者は名誉教授とかそう言ったものだろう。


医者は、緊急性がある場合があるからだ。


なるほど。


「どちらにしろ国が認める人間になりますし、難易度が高いですから。そう簡単には入手できませんよ」


「ハチ、メモだメモ」


「はい!!」


ハチは汚い字でノートにメモった。