「何を考えているの?お姉ちゃん」
「別に。旅を満喫しているから自慢に一筆。『いい国だ。調査のしがいがあるぞ』と」
「自慢に緊急用の特別速達……」
「細かいことは気にするな」
「他国に送られた私には数年間手紙くれなかったくせに」
アタシはそっぽを向く。
すげえ怪しまれている。
ついでにすげえ恨まれている。
そりゃそうだろうけど。
視線を戻すと頬を大きく膨らませていたので、また視線をそらす。
「……」
そんなアタシにミアはため息ついた。
「ちゃんと、中身は改めるわ」
「どうぞどうぞ」
「これでも、暗号解読は勉強したのよ」
「へえ」
アタシだって、ミアが解けないとは思ってないさ。
「ただ、その暗号解読に相当時間をかけるとは踏んでいるがな」
アタシは槍を構え、国境に立っていた。
手紙を欲しがっていた妹に『ちょっと外出てくる。さがさないでね』って病室に置き手紙しといたから泣いて喜んでいるに違いない。
治療は終わっていないらしいが、まあ大きな問題じゃない。
手の震えはまだ細かく来るが、槍を持てない程ではない。
鎖を解いてやったハチがのびのびついてくる。
「看護師さん美人だったのに」
「何?あんたアタシに縛られているのが好きだったの?」
「せめて、拘束って言いやがれ!!道行く人が振り返るだろ」
ハチはまったく元気だ。
「お前、態度でかいな。しょぼいくせに」
「だから視線の先をおかしいだろ!人の目を見ろよ。下半身を見るな!!」
っと拳を握りしめ、ハチは吠える。
「アンタは病人なんだ!!完治してないんだぞ」
アタシはにっと笑い、喚きながらも心配そうな目で見つめるハチの額を小突く。
ヒールがある分、こちらの方が身長が高い。

