女王様御用達。

一方、残された男の子は神を恨みました。

父親であった刀鍛冶を奪い、そして妹であった女の子も神の手によって奪われてしまったからです。


そして、彼は村から姿を消してしまいました。

教会を焼き払い、住んでいた家に小指を一本残して。


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意外とハチはつっかえなく読んで見せた。

コイツ、本の読み聞かせ上手いな。


絵本。

と言うより、伝記に近いもののようだった。

ステンドグラスの絵がだいぶその物語の邪悪さを取っ払っているが、割と残酷な場面がある。

それでいて、学ぶべき教訓的なものがまるでない。

中途半端に切れている顛末。


「そして、今に至るってか?」


「四年前の話です。白銀の騎士が彼女なら、人間を超えたものになってるっぽいですね」


「それを模した別の人間が何代にも渡って演じているとかが現実的だが……」


しかし、あの浮遊術といい、すばやく自由に形の変わる装備といい、変な力といい。


……それを魔法陣無しで成し遂げるなんて。


奴の術は人間が出来る範囲を超えているのは確かだ。


そして、物語に突然出てきた謎の物体。

「小指か」


「え?」