アタシは全力で解呪を進め、ハチは物語をすすめる。
物語のために、ミアから本を差し入れて貰ってそれを病室で読む日々は淡々と進んでいた。
そこには活字以外に白銀の騎士も出てこない。
いや、その情報は王子やミアの部分で止めているのかもしれない。
実際、ミアが人間に襲われている事を王子はアタシには教えなかった。
ハチに聞かなければ、知ることも無かっただろう。
物事はアタシに関係なく進んでいく。
巻き込まれたいという願望は無いが、自分だけ話が分からないという現状は癪に触る。
だからこそあまりに平和に過ごせているのだけれど。
リュウズの客人であり、ミアの姉であるアタシを王子はこれ以上巻き込むのは望まないだろう。
「俺は速読とか出来ないんだけどなぁ」
白銀の騎士の資料を読んでいたハチもぼやく。
そう。
アタシが無茶に突っ込めばコイツも白銀の騎士の餌食になりかねない。
魔法も戦闘も出来ない以上、コイツはアタシの荷物。
……というのはあまりにも可哀相か。
王の側近であるミアよりもおそらくアタシの近くで看病してくれているのだし。
こいつだって望んでこの国に来た訳じゃない。
一番の巻き込まれキャラはコイツで、近場にいるもののコイツには何の関係もないこと。
本調子ではないし、今のアタシにはコイツを守れない可能性が高い。
下手に動いて危険にさらす訳にもいかない。

