女王様御用達。

ハチはため息をつき、俯く。

ハチの気持ちは分かるが、王子の立場も分かる。


「……だけど、このままだと……」


「うん。僕は、白銀の騎士から殺されちゃうだろうね」


ハッキリと言いきられ、ハチは何か物言いたげに口を開けた。

しかし、声をかけようとしたその顔のまま目を伏せる。


「次に来たときには、アタシが必ず仕留めます」


あのガキ、少し泣かさないと気が済まない。


「だめ。お姉さんは絶対安静だよ。正直、まだ完全に羽根の呪いがとけた訳じゃないんだから」


解呪の術は少し囓ってる。

確かに体に違和感があるが、回復しない程度ではないと思う。

ただ、力が足りないので、魔術師を数人借りて術をしないといけないだろうけど。


「兵士の強化はしてる。国の財政を傾かせない程度に、防御もするつもり」

「ですが」

「……あなたはミアのお姉さんで、この国で闘いに来た訳じゃない」


王子が年齢に見合わず大人の顔でそう言った。

王の権力、彼はあたし達に対して初めて行使したような表情だった。