女王様御用達。

「何か、白銀の騎士とミアがいる空間が当然のように見えちゃいました」


「……」


「でも、僕は神の目は正しいと思っています。彼女はその頭脳でこの国に大きく貢献しています。農業国として栄えたのも、彼女がいなければここまではならなかったでしょう」


彼は首を振る。




「……一方で僕は、体が弱いし、年齢も知識も足りない」

「15歳で国を背負えっていうほうが無茶振りですよ」


「でも、王家で残ったのは僕ぐらいだしね。その血に生まれたばかりに背負わなきゃいけないんだよ。その重荷を」


小さな両手をひらき、残念そうに見つめる。



「……重荷を捨てていいのは死ぬときくらいだ。僕は白銀の騎士の童話を聞く度に思ったよ。この人は単に『お前は重荷を背負わなくていいんだ』と終わらせてくれる人なんじゃないかって」


そこまで呟き、はっと顔を上げる。


「別に僕は死にたいとかそう言う訳じゃないんだ。むしろ死にたくないよ?」

慌てた様子で否定する。




「ただ……時に国をまとめるのって発作よりも苦しくてね。どうまとめても、誰かが損をしてしまうから」




開いた両手をギュッと握りしめる。



「本当に、僕は一番上に立つなんて向いてない」




アタシもそう思う。

この王子は、国をまとめるには弱すぎる存在。

優しすぎてカリスマがない。


うちの女王を上げるのは悪いが、多少悪事に手を染めても言いくるめればいいと……まあ、これは邪道だがそれくらいの図太さがある人間の方が王には向いている。

この王子は純粋すぎて、全部を叶えようとして自分自身を壊してしまうタイプだ。


……その点、地獄絵を見てその中で生への執着を見せ、そこそこ国を見てきて知識のあるミアの方が向いているといえばそうかもしれない。