女王様御用達。

アタシは墜落する直前で氷の表面に小さく爆発させ、少し浮上。

爆風に煽られながらもとけた地面の上に着地する。


ちらりと一般人のハチの方を見ると、ミアが氷の壁を作って爆風や炎を防いでいた。


いつもそう。

ミアが氷のフィールドを自在に操り、防御を担当。

アタシは安心して攻撃ぶちかまして女王選抜のライバル達を倒してきた。

何か、懐かしい感覚だ。

小さくなる炎を絶やさないように、遠方から人間ほどの火の玉を飛ばす。


何たって、相手はおとぎ話に出てくる死神。

人間なら放ち続ける火の玉だけで十分死んでくれるが、あの宙に浮かぶ術と剣のこなし。



魔法書で見たことのない術ばかり使ってくるから手を抜けない。



そのうち、騒ぎを見に近隣住民や酒場の人間が集まってくる。



「ニアさん、さすがに死んだんじゃ」


見かねたハチが呟いても何だろう、胸騒ぎにせかされ攻撃をやめられない。


爆発の中から柱が一本天へ飛ぶ。


まるで身に纏う炎を拭うようにくるくると、その白銀の丸い塊は飛ぶ。



「オイ、あの銀色なんだよ」



と人々は声を上げる。



銀の塊は炎から逃れるように宙を舞い、そして球体はまっぷたつに割れるように開いた。


その中からはピンクの髪の小柄な少女が、裸に銀色の包帯みたいなものと、その包帯が変形した羽根のようなものを着て出てきた。

包帯が手にからみつき、大きな剣の形をしているが、布か金属かよくわからない。


とにかくその姿はあまりに神々しかった。

彼女自体が闇夜に光を放つ。


月よりも明るく出で立っていた。

……そして白い肢体にはキズもやけども1つ無い。



「おい、そこの変な頭」


彼女はアタシを指さし、不機嫌そうに睨み付けた。


「誰、え、誰?誰よ」



アタシはわざと誰か分からない振りをして回りを見渡す。


「変な髪のババア、貴様だ」

「誰がババアだ!!コラ!!」



アタシは宙に浮かぶもう一発炎の玉をぶちかます。


が、その銀色の玉に炎が吸い込まれるだけで消えてしまう。