女王様御用達。

アタシはくるくる槍を回すと、徐々に大きくなる銀の塊に槍の先端を向ける。



「ミア、2歩前に進め」



ミアが声に反応して動いたところで、アタシの槍の先端から放たれた人間サイズの火の玉の塊が、銀色の塊を貫く。

銀の塊は火の玉に巻き込まれ、氷の地面を溶かしながらバウンドする。


「火の玉、でけえ」

ハチが遠くから拍手をする。


「お姉ちゃん」


「悪いけど、アタシは殺さずに動きを止めるなんて器用な真似は苦手でね」


ミアの方に近づき、火だるまのそれを睨み付ける。


火の中でのたうち回る騎士に吸い付くように火の玉がのしかかっているように見えた。


「こいつか」


ミアは頷く。



火の玉が2つに割れる。


「!?」


火の玉の下から大きな剣が2つに火の玉を切るのが見えた。

アタシとミアは槍を構える。

人間ならまず、生きていない。


「貴様、我の……神の命を邪魔するのか」


火から逃れるように空へ急浮上する白銀の騎士。

その仕組みはよく分からないが……風魔法か何かだろうか。




「アタシに王冠を持ってこさせない神様なんか認めないわ」




その言葉を聞き、ミアが吹いた。

「そんな王冠があったとしても、私だったら神様に背いてでも持ってこないかも」


「アンタもあの神の使者と一緒に発汗ダイエットさせてあげる」


「あらあら。お姉ちゃんったら、熱いこと」


ミアが強く振ると、その槍の先が地上の冷気を集める。


「少し神の使者さんと一緒に冷えた方がいいんじゃない?」




2人で静かに笑い合う。

そして、宙に浮いた自称神の使者を睨み付けた。