女王様御用達。

……あんなに女王にこだわっていたのはミアなのに。

だからこそアタシに酒をひっくり返してきたんだろうな。

それを否定できなかったから。

根本では女王になれなかった自分を責めている。

ルールに負け、同情されて生き続けているアタシのように。



アタシは、自分のグラスに残った少ない酒を口に運ぶ。


おいしい酒なのにもう無くなった。



そういや、この酒。

昔母さんが作っていて、ジュースと間違って飲んだ酒に似てる。


『この国の発展に案を出して見れたのもミアなんですよ。博識で助かってます』

王子はえらくミアの事を褒めてたな。

そして誇らしげだった。


可愛らしかったな。


「ああもう!!」


みんな面倒な奴らばっかりだ。


席を立ち上がった瞬間、部屋にハチが入ってきた。

「……の……が」

息を切らし、その場に座り込む。


「どうした?ミアは?」


息が切れ、上手くはなせないらしい。


彼は喉を押さえながらやっと声にする。



「白銀の……」

その一言だけが声になった。

しかし、十分だった。



アタシはその場にハチを置き、酒場の中を走り出す。