女王様御用達。

「で?ハチは何飲む?ここあたりは、葡萄酒とかが有名でな。ああ。ウイスキーもうまいぞ。ここは三十年ものとか置いてあるし」


「オレンジジュースで」


「……」

「……?」

「男だろ?」

「19っす」

「……」

「未成年っす」


アタシは舌打ちする。

何を今更。

こぽこぽこぽ。

酒をあえてハチに見せるようについで、そのグラスを一気に飲み干す。

ほら、こんなにも豊かな香りが広がって、甘さの中にもアルコールの鋭さが刺すすばらしい酒なのに。

しかし、ハチは無関心。

アタシはまたグラスに注ぎ、両手で2つのグラスを持つ。


「いいじゃん、のもーぜ。一人酒は寂しいだろ」


「……女王が定めた法律なんだけど……」


「ここは、リュウズじゃないの。オーノンなの。あんな性悪女王の事なんか忘れてぱあっといこう。行っちゃいましょうっ!!」


「性悪には完全に同意しますが、己の刑期が延びるのは勘弁してほしい」


「未成年飲実刑5年、罰金百万以内なんてぱぱーっとやっちゃえばいいんだよ」


「支払い能力ないし、これ以上奉仕作業したくないし」


「大丈夫、貴様の奉仕作業が終わる日が来るかどうかも分からないんだから。希代のエロ作家」


アタシは肩をバンバン叩く。


「おしっアレだ」

「何っすか?」

「去勢をするか、酒を飲むかどっちがいい」


「脅迫かよ!!」


ハチに抱きつくアタシのあごを、手のひらで押し上げ拒否してくる。


顔は天井を見上げながら、アタシは手と足で抵抗する。