女王様御用達。

ハチが黒い筒の中身を開けると、中から赤い赤い光の玉が浮かび上がった。


王子とミアはそれに見入る。


部屋の中心まで太陽が上がると浮上はそこで止まった。


この部屋が急に明るく照らされた。


「光の力は本物よりも下げているそうですが、直接見ると目に悪いそうです」


「凄いねぇ。リュウズ」


「製法は新しい禁忌級の魔法陣を使うそうです。まだまだ研究段階で、黒い筒に入れて制御することがやっと。温度も高いので触ると危険なのですが、工夫すれば光合成能力の向上には使えるのではないか?とのことでした」


「ミア、どう思う」

「熱の危険性は黒い筒の構造を調べればどうにかなるかと。ルールいわく、この太陽は数百年は燃え続けるので、実用化出来れば電照栽培の照明よりもずっと低コストで扱えるでしょう」


ハチと王子がちょっと理解しがたいらしくチラチラアタシ達を見つめる。


「凄くいいと思います」


というミアの一言で王子は納得した。


「うん。とってもいい物なんだね。ルール女王にお礼を言っておいて」


「喜んでいただけて光栄です」



ミアへの懐きようがハンパ無い。

これは兵士どももむかつくかもしれないな。




アタシは頭を下げながら密かに笑った。



「2人とも、ゆっくりこの国に滞在してね。特にお姉さんからはミアの弱み聞きたいし」


「お、王子」

「だって、チョップされてばっかりだもの」


微笑みつつ、アタシはハイと頷いた。





「それにひょっとしたら、白銀の騎士にも会えるかもしれないしね」





アタシは心臓をギュッと捕まれた気がした。




「王子に、王冠を授けにですか?」

「そっちだと、いいけどね」




おそらく、おしゃべり王子のただの冗談だと思う。

……だけど、今のタイミングではあまりにも聞きたくない冗談だった。