女王様御用達。

「お姉ちゃんは、近所の男の子をみんな倒して、ガキ大将として5年間くらい君臨したんですよ」


たんこぶを沢山作ったハチに、ミアは笑う。

木製作りの城は、塗装せず、年輪の美しさが目立つような作りがしてあった。

ガラス室を思わせるガラスが沢山はめてあり、個性的だが芸術的だ。


「はあ。すいません」


「今度、年増って言ったらすっぽんぽんにして、貴様の名前をマジックで背中に書いて外に閉め出すからな」


「ひぃ」

そんなバカな会話をしながら、アタシ達は王室を目指した。

階段は緩やかで所々に兵士が立っている。

不思議なのは、その誰もがこちらに全く気を許していないことだ。

殺気ではない。

でも、憎しみのような。

これはミアに向けられた物かもしれない。



「ひょっとして、歓迎されてない?」



空気読めないとクロに酷評されていたハチだが、それでもわかる空気の悪さ。

まさか。

こちらは姉妹国の人間だ。

その姉妹国の派遣者を粗雑に扱う理由はない。





『王の妾の……姉……』





ヒソヒソ話が耳に入った。

……そうか、そういうことか。






「そこ!!客人の前です!!私語は慎みなさい!!」





ミアが怒鳴り、そいつらは目を据わらせながらもそれに従う。

表情を変えたミアに、ハチはビクッと体を震わせた。




「ごめんなさい。先を急ぎましょう」


「は、はい」


笑いかけるミアの強さが、女王選抜に耐えていた表情を思い出させた。