女王様御用達。

『ねえ、お姉ちゃん。私、女王試験してみたい』


『なんで?あれ、最初の容姿試験を突破して他の試験で落ちれば殺されるって言うじゃん?』


『でも、紹介料はお母様に入るわ。それに、女王になれなくても食事代はその分浮くし、御飯に困らなくなるよ』


『……ミア』


『それにね、女王様になったら1つだけ願いを叶えて貰えるでしょ?そうしたらお母様の家を貴族にして貰うの。お父様以上の大貴族だよ』



彼女は満面の笑みで言った。




『そうすれば、妾の子なんて言われなくなるよ』




貴族の父の妾をしていた母と私たちは、父の家に暮らしていた。

父は他に沢山の妾を作っていて、そうそう家には帰らなかった。

本妻家族と同居は本当にしんどくて、貧しくて、居心地の悪さは無かった。


早くこの家から出たいと思っていたけれど、本妻家族の目があり、なかなか外へは出られなかった。



だから、『落ちれば殺される』女王試験には本妻家族から万々歳で家から出して貰った。

向こうからしても、父親を奪う家族として嫌なことこの上なかったのだろう。



そしてミアは女王試験の容姿選考で受かり、その賞金は母の手に渡った。


その代わり、ミアは城で徹底管理がされてもう二度と会えない状況になると説明された。




ミアと等価交換にしてはあまりに少ないお金だった。




家から追い出されたアタシたちが暮らして行くには到底少ないお金。

だからアタシも参加することにした。


食費が少しでも多くなるように。


違うな。






多分、母親が毎日ミアの名前を呼びながら泣く事に耐えられなかったんだと思う。