女王様御用達。

「奴はすでにオーノンの国の人間だ。常に国の秘密は漏らさない。ただ、今回だけは手紙のインクが一部違っていてな」


彼女は図書館長の机の上に手紙を広げて見せた。


「案の定、手紙の文字の一部だけ、色は同じだが種類が違うインク使っていた」


その手紙は水滴が複数落ちたようなにじみが合った。

にじみが虹色のものと、黒一色のものと確かに2種類ある。

が、文面を見る限りそんなことよく分からない。


「よく分かったな」

「インクの香りだな。手紙を開いたときいつもと違った」


……どんな鼻だよ。



「これを並び替えるとさっきの文章になった。わざわざ難易度上げてこちらに教えてくるんだ。あの真面目な子が手を込ませて適当な内容を送ってくるとは考えにくい」



たしかに。



「ということで、お前に出張命令だ」



「はい?」



「手みやげ持って、オーノンの町に行って来い。向こうの王に失礼がないようにな」


うえ。

かたっくるしいの凄い苦手なんだけど。


「そんな顔しなくても心配ない。オーノンは姉妹国だ。しかも、王は母親代わりに育てたミアに懐いているらしいしな」


「他の奴に頼んでよ。ほら、クロとか外交に連れて行くと可愛さで受けるでしょ?」


「クロは戦争の前線に行った。しばらく私の顔が見たくないだと」


「はあ?」


あの女王にやたら懐いていた坊やが?


「まあ、反抗期だな」

彼女は残念そうに笑った。