女王様御用達。

え。

何を言っているんだ?

彼の本名は、世界に轟くほどその本の存在は問題になった。

でも、それが違うということか?


「お前は術師の死後もずっと術のかかった本を知っているか?」

『おもしろくない魔法だよ。真っ白な本が、虫食いにも湿気にも負けず、傷にも負けずその状態を保つ為の魔法』

かつて僕がポチに説明したことある内容だ。



「ええ。汚れも湿気も一切寄せ付ず、像が踏んでも壊れない。死後19年続いている奴ですよね」



「あいつが問題となった官能小説を書いたノートは、それだった」




……話が矛盾してる。

真っ白な状態を保つはずの本に、官能小説を書いただと?


「意味が分かりません」


「本を炎に放って解析して分かった。奴は死後19年術を続けさせる力を持つ魔法を、突破し、しかも今もその文章ごと本を保護させている」


そんな無茶なことが?

死んだはずの他人の魔法に、手を加えた?

しかも死後も十数年呪い続けられるような術師の魔法だと?


「あいつは魔法は使えないはずです」


「ああ、あいつを逮捕した時に徹底的に調べた。奴は魔法がつかない体質なのは明らかだ」


「では、どうして」



さてな。

彼女続けた。



「だが、あいつの物語には死んだはずの魔法作成師が挿絵で登場してな。そのページ周辺に同じく文章を調べるとあるんだよ」




彼女は困ったように笑う。




「……作成師しかわからない暗号で、今までに無い魔法の生成方法がな」