「そうですか」
僕は口を覆い笑った。
その様子を笑いながら見ていた女王は聞く。
「お前、ポチ、好きか?」
「悪人は嫌いです」
もちろん即答する。
「ですが、エロ作家は嫌いじゃないです」
女王はニヤリと笑う。
「お前にはまだ早い」
僕は女王から3冊目のノートを受け取る。
「……この物語、ボツになるなら僕にいただけませんか?」
確かに不幸な主人公がお姫様になり幸せになる、ありふれた話。
でも、とても暖かい物語だった。
「僕もこの物語が好きです」
「そうか」
と、女王はノートをひったくる。
そして舌を出した。
「残念だが、その物語はあげられない」
コンコンコン。
誰かがこの部屋をノックする。

