「でも、レースはうれしかったと思うぞ」
「?」
「お前らが来たことで、最後に自分をバケモノと思わない人間と交流が出来た。それまではまともに身内以外の人間と話しすらしたこと無かっただろうからな」
それをいわれて僕は顔を暗くした。
「……僕は彼女を悪人扱いしました」
最後の時も、彼女を止められなかった。
「でも、結局仲良く出来たんだろう?」
「……出来たのでしょうか?」
「彼女の笑顔は見たか?」
「はい、ずっと笑って」
苦しいときも、悲しいときも。
「ずっと」
彼女はずっと笑って僕たちを思ってくれた。
僕もポチも王子もずっと慕っていた。
「ずっと」
それなのに、それなのに僕は。
彼女を救えなかった。
女王の綺麗な手が僕の頭を撫でる。
「よく、がんばったな」
僕は、流れる涙を止めることが出来なった。

