女王様御用達。

結局、僕らがリュウズに引き取られたのは、牢屋に入って1ヶ月後の事だった。



ちょうどその時、国を上げてのウリム王子の葬式が行われていた。


死因は突然死で、レースの事や皮を剥がされた事は一切伏せられていたようだった。

もちろん、死体も非公開らしい。


僕らは馬車に乗り込みながら、かたくなにイメージを守ろうとする国の下ろされた国旗を睨み付けた。






「お帰りなさい。クロ」




今日もやはり図書館館長をしていた女王は、入ってきた僕を見るなり笑いかけた。

僕は館長の机の前に立ち、深々と頭を下げる。


「お騒がせしました」


「想定内だから問題ない。気にすることはない」


「……レースさんを救えませんでした……」


女王は赤い爪で机を叩く。


そして、ため息をついた。



「気にすることはない」


彼女の手が僕の輪郭を触る。


「それも想定内だ」

「僕がしくじると?」


女王は首を振る。


「レースは私に自分の状況を暗号で伝えてきた。そしてマーガレットの手紙で父親が死んだこともな」

「……!!」


「国にとって、バケモノ文化の終焉が近いことは、すでに私もレースも分かっていた。つまり、国に必要のないものになっていたということだ」


「……どっちみち処刑か何かバケモノ文化を終わらせる何かがある」


「それが安易に想像できるだろう?」


僕は目を伏せた。


「何も出来なかったと責めているのか?」

「はい」


彼女は席を立つ。


そして、ガラス越しに広がるリュウズの景色を眺めた。