女王様御用達。

「お前らにやった、一連の無礼を許して欲しい」


彼は乱暴に謝罪した。



「1ヶ月前、俺は猟をした帰りにレースの父親を馬車で引いた」


彼は淡々と語り始める。



「その場はびっくりして逃げてな、でも、そのうち国の敵であるバケモノを倒したんだと考え直して父親に自慢した」

「怒られますね」


「ああ、大激怒。勘当されかかった」


「でも何故、勘当されかけたか貴方は分からなかった」



「そうだ。父もそこまで話すことはなかったし、誰も教えようとはしなかった。オレ様は、『バケモノは絶対的な悪』とは知っていたが、それ以上は何も考えたことがなかった」



彼は煙を大きく吐く。


「だからこそ、バケモノの一人を倒し勇者のはずのオレ様が勘当されかけた事が許せなかった。すべてバケモノが悪い、この国にバケモノなんか飼う必要はない」


彼はそこまで言って、口を閉じる。

床でタバコを押し消し、ため息をつく。



「……入院中に全部聞いたよ。耳にタコができるくらいにね」


「あの、恐れながらレースさんは?」

「50ほどの国王軍が後を追ってな。女の死体を回収したと聞いている」

「聞いている?」

「いろいろやらかしたオレ様に、落ちてくる情報なんて限られているさ」



僕たちは深い深いため息をついた。






守れなかったんだ。