「なあ、ポチ」
「ん?」
「この国、シルルクソウって花があったろ?」
「ああ、公園に生えてた奴。綺麗な青いの」
「あれはな。この国の王様が品種改良して作った花で、元はドス黒い酷い花なんだってさ。この国の国花だ」
「へえ」
「品種改良後には、すべての醜い花を処分し、その花だけがこの国に生えるようにした
らしい。だが、今でも時たま咲くんだ」
「全部取ったんだろ?ドスグロは」
「シルルクソウのすべての個体には遺伝子上にはその醜い花が生まれる可能性があるんだってさ。凄く形質としては出にくいものなんだけど、代を重ねるうちに希に昔の花に近いもの現れることがあるんだって」
「醜い国花ってか。はは。シャレが効いてるな」

