女王様御用達。

「ねえ、クロ君」




いつも見せていたレースさんの笑顔を、その姿でしてみせる。




「私、やっぱりバケモノみたい」




彼女は残念そうに笑った。




「人間の居場所なんて、私には無いみたい」



明るく笑う、その目には涙をためて。




「なんとなく分かってたの。あの赤い本が暗に示してたことなんて」




彼女の心臓部分には穴が開いていた。

その穴を、長く伸び、尖った爪で覆う。








「……でも、人間として生きる夢を見させてくれてありがとう」