女王様御用達。

『ゆうしゃだ!!ぼくはかいぶつをたおすゆうしゃだぁ!!』


『このくにのかいぶつはぼくがころしてやるー!!』



僕は、何故かうれしそうに笑う彼に、いつか見たシルルクの子供を思い出した。


彼は、作られた物語の勇者役の奪い合いをしているのだ。


バケモノを作り上げたように、勇者も作り上げられていた。


王子である彼らは、それに恥じぬよう生きることを運命づけられ、そうでなくてはならない理想像なんだ。




そして追い求めた結果がこの悲劇か。



自分達が作った物語におぼれるなんて。


「滑稽だな」


彼はあまりに冷たい視線を僕に向けた。


「そして、あまりに愚かだ」


「何?」


「『この国が国交を制限しているのは、『人間をバケモノに仕立て上げている事実を外国に伏せるため』なんだ。こんな事実、国の汚点でしかない。他の国からの笑いものだよ』」


僕はいつか彼が語った言葉をそのまま口に出す。