女王様御用達。


ポチはきょとんとしている。

デスト王子もそれと変わらない顔をしていた。



「何を言っているんだ?」


はっ。

彼は髪をかき上げた。


「オレ様は、バケモノ父を殺し、バケモノ娘を殺し、勇者のなし得なかった真の平和を取り戻し真の勇者になるはずだったんだ!!バケモノを殺してはならない?奴らは悪だ!!害虫だ!!野放しにするなんて勇者の化身がすることではない!!」


デスト王子は叫んだ。


「オレ様はバケモノを倒し、真の王となるんだ。この国にバケモノは必要はない!!」


「黙れ」

パン。


今度は自分の兄を撃つ。

駆け寄ろうとした兵士にも銃口を素早く向ける。

あまりに慈悲の無く、躊躇のない銃弾だった。


デスト王子は声にならない声を上げ、肩を押さえたまま地面に倒れる。



「ちょっ……血の繋がった兄だろうが!!」



「汚点でしかないよね?バケモノもこいつも」



彼は蔑む目で地面に倒れもがく兄を蹴飛ばした。






「生きることで勇者の名を汚す、悪でしかない」