女王様御用達。

僕は盾を剣の形状に戻し、大きく振る。

すると、剣がムチのように長くしなり伸びる。



「はあっ!!」



6人を思いっきりムチではじき飛ばす。


地面に転がる彼らに、両手でクナイを投げはなつ。


10の木のコブが地面に転がる。



もう阻む者は誰もいない。



「今だ!!走れ!!」



僕の合図で、レースさんは茂みから飛び出す。


地面に落ちた木の塊を細い足ですり抜け、分厚い分厚い国境の門に向かって一直線。

うっすら笑みを浮かべ、手を伸ばし国の外の空気を掴む。




「逃げろ!!レースさん!!」


ぱーん。

それは、すべて防いだはずの音だった。


尋常な様子じゃないポチの声が聞いたこと無い程響いた瞬間、レースさんは地面にうつぶせた。

その手は国境線に触れられないまま。

ぴくりと少しだけ動き、そのまま止まった。



僕は最悪の状況を覚悟しながら、そいつを睨み付ける。







「国の恥を、外に出すわけないでしょ?」







おとり作戦で乱れたのか、赤頭巾の下からは彼のさわやかな笑顔がこぼれていた。


レースさんの体から血だけが、国境を越えていく。



「何、やってんっすか!!ウリム王子!!」

「はい、君はちょっと黙っててね」



今度はポチに銃口を向ける。

ポチは視線はレースさんに向けたまま、小さく両手を挙げた。