女王様御用達。

国境。


森が開けたところにぽつんとある。

国をぐるりと囲む魔法人入りのコンクリの壁が、そこだけとぎれていた。

魔法でコンクリを超えようとしても、必ず阻まれる仕組みになっていて、魔力がかった僕の剣は通じない。


だからやはりここを超えるしかない。



いつか馬車で超えた凸凹道が、こんなにも遠く険しく感じることはなかった。


兵士達が銃を構え、道を睨み付けている。


「ていいよく、馬車あたりが通ってくれれば、レースさんを屋根当たりにくくりつけて通れるかも……」

とか馬鹿ほざいているポチがいる。


「検査あったろ。入国時。ちゃんと屋根まで鏡ついた棒で覗いてたよ」


「そうだったか。俺は名前が酷すぎて」


馬鹿。

僕が睨むと、ポチは黙った。


「ん?何の話」

「食べ物の話で盛り上がってたんです。経由した国の」



ポチはごまかしたが、ここでポチの素性を明かしたらさらに複雑な事になりそうだからやめろ。