「ごめ~ん!将!!待った?」
「いや、さっき来たばかりだよ。」
「そっか。・・・久し振りだね。一緒に帰るの。」
「そうだよな~。美佐、部活忙しいみたいしな。」

僕らはゆっくり歩き出した。
他愛の無い話を繰り返しながら僕らは歩いた。

「それにしても、すっかり寒くなったね。明日辺り雪・・・」
「まだ降らねぇ~って!」

僕は、美佐の言葉を遮るように言った。

「雪・・・降ればいいのに・・・手がこんなになるほど寒いのに・・・。」

美佐は、口を尖らせてそう言った。
前方の信号が赤に変わり、僕らは足を止めた。

「しゃ~ねぇな・・・ったく・・・。」