平日の朝、駅裏のホテル通りは人っ子一人通っていなかった。 夜のまま時間が止まってしまっているような部屋から抜け出せば、太陽はとっくに空に出ていて私を照らしてくれた。 いつも通る道なのに、まるで違う世界に来てしまったみたいで一瞬、めまいがした。 「ありがとう。」 毎日飽きもせず昇ってきてくれる太陽に感謝しながら、私は家路を急いだ。