『いいの。早く聡がバッティングする姿見たかったし(笑)』


『そ?なら見せてやるよ』

そう言って、聡は打席に立った。私はグリーンのネットの後ろから見ていた。
聡は全部のボールを打てたわけじゃないけど、綺麗なフォームだった。練習すれば絶対にいい選手になる素質は持ってる!!なんて自己分析していた。


『ふ〜。』


『お疲れ様。』

そう言って、用意しておいたスポーツドリンクを渡した。


『ありがとう。じゃあ、次は愛の番だな』


私は、60キロのボックスに向かった。

結果は、もちろん全部のボールを遠くに飛ばして気分よく出てきた。


『普通「速くて打てないよ。」とか言って可愛い一面を見せるんじゃないのか?(笑)』


『そうなの?私、可愛くなかった?』


『イヤ、可愛かったよ』

その言葉を聞いたとたん、体中が熱くなった。


『体動かしたら熱くなってきたね!!そこで休憩しよう』

私は、聡より先にベンチに向かって歩いた。


『はいはい‥(笑)』

聡は少し離れて歩いていた。


2人分の席を確保して、聡に話しかけようとしたら聡がいなかった。


『何処行っちゃったの?迷子?』

一人でテンパっていると‥


『迷子の愛さん、これで機嫌直してください。』

そう言ってアイスを買ってきてくれた。


『食べたかったんだろ?(笑)』


『うん。ありがとう』

私はアイスをペロペロ舐め始めた。


『おいしい』

聡に向かって微笑んだ。そしたら聡も微笑み返してくれた。