ガチャ ガチャ

聡は部屋の扉を開けた。


『どうぞ。』

そう言いながら開けた扉を押さえ、私を先に玄関に入れてくれた。

私は大きく深呼吸をしてから‥


『お邪魔します』

と言って玄関に足を踏み入れた。


すると‥

『お邪魔します。じゃないだろう?』

そう笑いながら部屋の中に入っていた。
私は、後を追うように靴を脱ぎ部屋の中に入った。



聡は冷凍庫に買ってきたアイスクリームを入れていた。

私は、その横に行って


『なんで、お邪魔しますじゃないの?今日はじめて来たのに‥』

と、聡に聞いた。


すると


『ばーか。もうじき、ここは愛の家にもなるんだぞ。
だったら「ただいま」の方があってるだろ(笑)』

私の髪の毛をクシャクシャにした後、近くに置いてあるソファーに座った。


私は何処に座ったらいいの分からなかったので、一人あたふたしていると

『愛、こっちおいで(笑)』


まるでペットを呼び寄せる感じだった。

でも、私は嬉しくて心の中では「ニャン」って鳴きながら聡の横に座った。




私は、聡にいい子いい子してもらいながら気になっていたことを聞いた。

『部屋に入った時ね、なんか違和感あったんだ。それが今やっと分かったの。』


『何だったの?』


『あのね、この部屋って‥あんまり物が無いなって‥どうして?』