『それはこっちのセリフ』

そう。私の前にいるのは聡だった。


『聡、仕事は??』


『終わったから帰宅中。ちなみにこの道は俺の帰り道なんだけど(笑)』


『そう。仕事お疲れ様』

私は明るく振舞うと

ベチッってビンタされた。


『痛い~』


『痛いじゃない!!愛は本当に方向音痴なんだな(笑)この地図を見てて、どうしてこの道に出るんだよ』


『そんなこと言われたって‥地図を頼りに来たら‥ここに出たんだもん‥』

私は、ションボリしていた。


『まっ、仕方ない。一緒に帰るぞ(笑)』

そう言って私が持っていた買い物袋を取り上げ、反対の手を差し出してきた。


私はその手を掴み、笑顔で

『うん!!』

と頷いた。



『早く帰ろうね~。じゃないとアイスクリーム溶けちゃう。』


『アイスクリーム買ったのか?まっいっか。』

私は、聡とピクニックしている様な気分だった。