運命

～次の日～


定刻時間に仕事が終わり、私は「お先に失礼します。」と社員に挨拶をして会社を後にした。


向かう先はもちろん‥

「スーパーマーケット」


『美味しいって言ってくれるかな？』

いろいろな思いを胸に、買い物カゴを持って店の中を歩く。


『にんじんに、じゃがいもに、たまねぎに‥』

野菜を次々にカゴの中にほおり込んだ。


『それから‥これ食べてみたかったんだよね(笑)』

調理には関係のない
「新発売」と書かれたアイスクリーム。


『早く帰って冷凍庫に入れないと溶けちゃう！！』

私は、アイスクリームの為に早くアパートに向かった。






『この辺のはずなんだけどな？？』

私は、地図を片手に周辺を見渡した。でも‥聡のアパートは見当たらなかった。


『何処だろう‥？？』

完全に道に迷っていた。


『仕事中かな？』

そう思ったけど、携帯をポケットから出して聡に電話しようとしたとき、


『道に迷ったんですか？』

背後から誰かに声をかけられた。


『そうなんですよ‥ここが分からなくて‥』

そう言って、持っていた地図に指を指しながら後ろを振り向いた。


私は、その人を見て

『なんでここにいるの？』

と、叫んでいた。