『これって‥』


『俺さ、今日から一人暮らし始めるんだ。もしよかったら料理とか作って欲しいな~なんて思ってさ(笑)』


『つまり‥』


『俺と一緒に暮らさないか?そうすれば、今日みたいに愛を不安にさせることもなくなるし。もちろん、今すぐじゃなくていい。愛のご両親にも今度挨拶に伺うつもりだから、その後で考えてくれればいい。
ただ、この鍵は愛が持ってて。少しは不安を和らげると思うから』


『ありがとう‥聡だと思っていつも身に着けておく』


『寂しくなったら電話しろよ!!っていうか、逢いたいなら逢いたいってちゃんと言え。愛は一人で抱え込むタイプだから』


『ごめんね。今度から言うようにする。それより‥
どうしよう。今日、記念日だけど私何も用意してない‥どうしよう‥』


一人で混乱していると、いきなりデコピンされた。


『痛っ』


『別にいいよ。』


『で、でも‥』


『そうだな~じゃあ、休みの日に料理作りに来て。俺だけの為に何回も何回も。
プレゼントなんていらないから。』


『それでいいの?記念日ってお揃いのものを買ったり、何かプレゼントする日じゃないの??』


『それは恋人がする事。俺達は、普通の恋人とは違うだろ(笑)』


私たちは恋人以上、夫婦未満‥



『そうだね。じゃあ、休みの日が分かったら連絡して。前の日に夕飯作りに行くから』


『了解。また明日連絡するな』


『うん。今日はありがとう。おやすみ』


『おやすみ』



聡は帰って行った。